年末になると会社から源泉徴収票という謎の紙をもらいます。
- 「年末だから1年分の給料を親切に教えてくれてるのかなあ。。」という感じで、気にしない
- 気になってググったけどよく分からない
私自身も経理の仕事をするまで、源泉徴収票は「年末にもらうよく分からない紙」でした。こちらの記事では、超ざっくりと源泉徴収票の内容とポイントを説明します。

この記事を書く私は、経理として10年以上源泉徴収票を作成しています
謎の紙 源泉徴収票は、なぜ渡されるのか?

1月1日から12月末までの1年間の給料と賞与の合計(青字部分)から、
各項目を調整して税金(赤字部分)が計算されます。
この計算過程の内容が、この源泉徴収票には記されています。
会社はあなたに給料をこれだけ払って(青字部分)
これだけの税金を払っておきましたよ(赤字部分)
という感じです。

会社員じゃない人は、自分で計算して自分で税金を払います。(確定申告)
源泉徴収票には、手取り額が載っていないという罠
青字部分はいわゆる額面金額とよばれるもので、手取り額ではありません。
この紙の主役は所得税(赤字部分)です!

こんなに数字が載ってるのに知りたいことが載っていない
手取り額の合計は、毎月の給料明細で確認します。
源泉徴収税額って何??
源泉徴収税額(赤字部分)とは、あなたの所得税の事で、会社が給料から天引きして払っておいてくれるものです。
所得税は、次の手順で計算されます
- 1年分の給料賞与の合計(青字部分)から
- 個人の諸事情を差し引き(社会保険料控除申告書とか、年末に提出するやつ)
- 残った金額に税率をかける
つまりは、
「子供がいて大変だから、税金安くしとくよ」
「家買って大変だから、税金安くしとくよ」
というような調節をしてから、税金を決めます。1年間の給料や諸事情が分かる年末になって初めて、所得税の金額は確定します。
年末の給料でちょっとお金返ってくるのはなぜ?
所得税は、おおよその金額で会社が毎月、給料から天引きします。ちょっと多めに天引きされているケースが多いので、多めに払ってしまった所得税と年末に分かる正確な所得税(=赤字部分)の差額が、最後の給料で戻ってきます。
源泉徴収票は100%合っているとは限らない
所得税の計算は給与計算と同じように、経理や会計事務所が行なっています。
最終的な所得税は会計ソフトで計算されることが多いですが
年末調整は、会社で完結する作業です。年末調整の書類も税務署に提出されるわけではありません。間違っていても誰も気づかない&バレなければ、そのままミスはお蔵入りします。
実際の現場で、経理担当が間違っているのも会計事務所の人が間違えているのも発見した事があります。社員個人で気付くのが難しく、間違いは放置されがちです。
毎年の給料は大きく変わらないと思いますが、
- 家を買った
- 子供が生まれた
- イデコを始めた
など、ライフスタイルに変化があったときは、年末調整書類で提出したものが反映されているか(去年と比べて税金が安くなっているか)確認しましょう。
年末調整の計算過程が分かる書類(源泉徴収簿など)を会社に頼んでもらうという方法もあります。

「計算過程が知りたいので、もらえませんか?」っと丁寧にお願いしよう!
そもそも税金がよく分からない
そもそも給料から天引きされている税金は何なのか分かりますか?
給料から天引きされているのは、以下の4つです。
- 所得税(年末調整で確定)
⇒税務署が管理 - 住民税
⇒市町村(市役所)が管理 - 社会保険料(健康保険)
⇒健康保険組合などが管理(保険証に書いてある)
社会保険料(年金保険)
⇒年金事務所が管理 - 雇用保険料
⇒ハローワークが管理(失業保険とか)
40歳以上は介護保険も登場します。一般的な会社員の場合 社会保険料>住民税>所得税>雇用保険料 の順で金額が大きくなります。
今回の源泉徴収票は、1.所得税の件です。年末調整の書類を出したり、一生懸命計算するものの、社会保険料に比べると金額は小さいです。住宅借入金控除などがあると所得税が0円という人も珍しくありません。
経理としても税金を納める個人としても管轄は、1つにまとめて分かりやすくしてもらいたいものです。