令和5年10月からインボイス制度が始まります。
インボイスって結局ナニ?
意味とかどうでもいいけど
ウチのような個人経営の飲食店でも関係あるの?
と思う方が多いでしょう。結論を先にいいますと、多分ない、、と思います。この記事では、その理由をお伝えします。

この記事を書く私は、小さな会社で経理を10年以上しています。
プライベートな飲食なら、インボイスは関係ない
一般のお客さんが、プライベートでお店に来た場合、領収書がインボイス対応していなくても問題はありません。
通常、一般のお客さんは、もらった領収書やレシートをその後、使わないからです。
レストランでレシートをもらっても、せいぜい家計簿で使う位ですよね?つまり、プライベートで来るお客さんが多い飲食店の場合、インボイス対応していなくても特に問題はありません。
仕事に関係する飲食なら、インボイスは関係する
一方、接待などお客さんが仕事でお店を使う場合、飲食代は会社の経費にするので、領収書がインボイス対応がされていないと困ります。

なんのこっちゃ?
例えば、10,000円の食事をしたら、消費税(10%)の1,000円と合わせて11,000円をお客さんはお店に払います。(2022.10現在)この領収書が、インボイス対応していなかったら、払った消費税1,000円は、結果的に払っていない事にされて、後でもう一度1,000円を払う羽目になります。
その理由を簡単に説明します。
インボイス制度は、「消費税のはなし」である
インボイス制度は「消費税」の話です。
さらにいうと、会社や個人事業主の消費税計算の話です。会社や個人事業主は、インボイス対応していない領収書をもらうと、消費税が認められないので、その分損をします。

まじかよ!
会社が国に払う消費税は、年に1度の決算で計算して金額が決まります。
インボイス対応の領収書がないと、払った消費税は認められませんので
- 実際に現場で会計するとき
- 国に消費税を納めるとき
実質的には2回、消費税を払うことになります。
個人経営の飲食店の多くは免税事業者で、免税事業者はインボイスを発行できない
免税事業者とは、お客さんから消費税をもらっても、その消費税を懐に入れていいという神的措置を受けている事業者です。
個人経営の小さな飲食店は売上が少ないので、多くは免税事業者でしょう。
免税事業者は、インボイス対応に必要な事業者番号を取得できないので、領収書をインボイス対応のものに変更することはできません。
インボイスが必要になるお客さんを考慮して、今後は免税事業者をやめて課税事業者になり、消費税を払うという選択肢もあります。
インボイス対応は、義務ではない
インボイス対応は任意で、インボイスに必要な事業者登録番号の取得も任意です。インボイス対応をしなかったからといって、ペナルティはありません。領収書をもらった側の消費税計算に影響があるだけです。(仕入税額控除が受けられない)
小さな飲食店は、消費税より味で勝負
記事の最初で述べた通り、プライベートで来るお客さんは、インボイス対応の領収書かどうかを気にしません。お客さんの大半がプライベートなら、インボイス対応していなくてもあまり問題になりません。
では、残りのプライベートではなく接待でお店に来たお客さんは「インボイス対応の領収書じゃないと来なくなる」のでしょうか?
お客さんが飲食店を選ぶ理由は、
- 味
- 雰囲気
- 立地
- 値段
等であって、インボイス対応ありきではありません。店を選ぶ理由が、消費税分の価値に負けるとは考えづらいので「インボイス対応していない領収書だから行かない」という結論には、なりにくいと思います。
まとめ:インボイスはB to C の場合、あまり影響がない
企業の多くは、消費税を計算して国に納める課税事業者なので、B to B (企業⇒企業)の取引の場合、インボイスは、かなり影響します。
- 仕入先がインボイス対応しているかどうかで、国に払う消費税額が変わる
- インボイスは保管義務など、ルールが厳密に決まっている
B to B (企業⇒企業)の取引でインボイス対応が微妙だと、取引先の消費税が認められなくなって迷惑をかける事になります。
一方で、B to C のサービス(企業⇒ 一般消費者)の場合、インボイスはあまり影響しません。
なぜかというと一般消費者は、自分で消費税を計算して国に納めないからです。
この2点をふまえて、小さな飲食店で免税事業者の方は、インボイス対応の有無を考えるとことをおすすめします。
国税庁には、インボイスの相談窓口があります。
少しでも不安に思う事があったら、誰でも直接きくことができます。ちなみに、こちらの窓口の対応は、すべて一般論での回答になります。どうすれば節税になるか?なんて事は、絶対教えてくれませんのでご注意を。