市販の面接対策本を読んで、「なんか設定が違う」と思った事はありませんか?
「自分が働こうとする会社は、そんなにちゃんとしたところじゃないんだけど、、」と。
多くの面接対策本は、「それなりの規模のちゃんとした会社のちゃんとした面接」を前提に作られています。こちらの記事では、小さな会社で事務員をする私が「小さな会社の面接対策」についてお伝えします。
あなどってはいけない!事務員の求人倍率
小さな会社の事務員は、給料は安いし、会社の建物も「オフィス」というより「ザ・事務所」という感じで決して素敵な仕事ではありません。外からみたら、建物も人も「サエナイ・イケテナイ」ように見えます。

内勤でも上だけ作業着とか謎。
ですが、事務職の求人募集を出すと信じられない位応募がきます。他の職種に比べると明らかに倍率が高いです。
本気で小さな会社の事務員を目指して生きてきた人は少ないと思いますが、なんとなく小さな会社の事務をしたい人はたくさん存在します。「誰でもなれそうで、意外となれない、、」それが小さな会社の事務員です。
新卒は、基本的に採用されない
小さな会社は、新人を育てる余裕がないため、コネがないと新卒採用はしません。
在学中に、事務のバイトを経験したなら可能性は少しありますが、
- 面接してから直ぐ働くことが前提
- 卒業まで待ってくれない
一般的な新卒採用のように「在学中に内定をもらい、卒業してから働く」流れではありません。
小さな会社の事務職は、基本的に中途採用で、どこかで事務を経験してからなるのが正規のルートです。
前職は正社員の方がポイントは高いのですが、バイトや派遣社員でもOKな場合が多いです。
社会人経験がない人は、まずバイトや派遣で未経験OKの事務を1年位して実績を作ると小さな会社の事務にちょうどよいスペックを用意できます。
1番能力が高い人が採用されるわけではない
普通は、面接を受けにきた人の中から、一番優秀な人が選ばれると思いますよね??
小さな会社の事務員の場合、必ずしもそうではありません。もちろん、面接に来てくれた人を比較するのですが、その人の素晴らしさよりも「仕事の内容と能力値がちょうどよい事」が重視されます。
以前にブログで書いた簿記3級位の能力がベストです。あまりに能力が高いと、小さな会社では
- うちの会社で働いてもらうのは申し訳ない
- 雑用を頼みづらい
と思われます。

周りが気を遣う
能力を隠す必要はないですが、無駄にアピールしない方がよいかもしれません。「海外留学で国際的な感覚を身につけました」等いわれても「じゃあそれが生かせる職場を探して下さい」と面接者は思うでしょう。留学経験がない・周りにもいない面接者は「ああ自分とは関係のない人だ」と感じるかもしれません。親近感がわかないのです。
小さな会社は、会社の生産性より「職場の仲間なれるか」を重視します。
能力値が低すぎない
当たり前ですが、能力値が低すぎても受かりません。世間では「事務なら誰でもできる」と思われていますが、これは「普通の人なら、誰でもできる」の間違いです。
経理もするなら、偏差値50位の学力は必要です。算数が苦手だった人は、面接に受かってもその後の仕事が厳しいでしょう。
小さな会社の経理事務は、守備範囲が広いので、平均的な能力がマルチにないと苦戦します。逆に、大きな会社で一部の作業だけ担当するような事務職なら、算数が苦手でも可能かもしれません。
産休に入らないか?
「子供を産む予定があるなら採用しない」とは絶対いってはいけませんが、小さな会社なら選考基準に大きく関わります。
なぜなら1年間も休まれては困ると思うからです。実際は、一時的に代わりの人を雇えば解決するのですが、多くの会社はそこまで考えません。「単純に休まれては困る」とだけ考えます。
会社も差別する意図があるのではなく、単純にたくさんの人を雇う余裕がない、解決策を知らないのです。
他に優位性がない場合、産休の予定のない人の方が有利です。不利になりそうな人は
と「産休入ってもなんとかなるよ!」という事をアピールしましょう。「まだ予定はないんですが」とつけ加えて下さいね。(予定があっても)
前任の人が気に入ってくれるか
小さな会社の事務員の募集は
- 事務員の退職によってイスが空いた
- 仕事が増えて人を増やす
主にこの2つの理由です。
この時、退職予定の事務員さんもしくは一緒に働く予定の事務員さんが、面接に登場する事があります。
この人たちに気に入ってもらえるかは超重要ですが、自分の優秀さをアピールしてしまうと失敗するかもしれません。なぜなら、自分より優秀な人が入ると、自分の無能がバレてしまうからです。
「一生懸命頑張るので、よろしくお願いします!」という「素直でいい子」アピールをしましょう。この点は、大企業の新卒一括採用試験とは大きく違うところです。
無能に見せる必要はないですが、前任の人や一緒に働く人より賢いのがバレると足を引っ張られる可能性があります。能力が高くても、謙虚な人にみせなくてはいけません。
能力は入社してから、存分に発揮しましょう!!
まさか!一番大事なのは、家が近いこと
実は、一番評価されるのは「会社が自宅から近い事」です。
交通費を節約したいだけではありません。小さな会社は「そんな遠くからきてもらう程の仕事じゃない」と考えています。謙虚ですね。。
求職者側からすると、遠くから通ってでも雇ってほしいのですが、会社側は「気軽に近所から通ってくる人」を好みます。
遠距離で不利になりそうな場合
- 車なら「空いているので意外と早く着きます」
- 電車なら「通勤中に電車で読書するのが好きなので」
等、適当にごまかすしかありません。「近くに引っ越す事を考えている」でも、いいかもしれません。自宅が遠いことは、なるべく気づかれないように心がけましょう。
まとめ:自分に合った就職活動を
「事務の面接」といっても、会社の規模と内容で求められる人材は全く違います。
これを意識せず、漠然と「事務の面接」で対策してしまうと、上手くいきません。小さな会社の事務職の面接で「御社の経営理念に共感し、、」等、使う場面はありません。
小さな会社の面接に行くときに、今回の記事を参考にして頂けれると幸いです。
ちなみに、近所の会社の人に挨拶しているうちに雑談もするようになり、事務職の空きがでたときに声をかけてもらった、、なんて事もありますよ。チャンスは意外と直ぐそばにあるかもしれません。